『天晴れ!カッポーレ』菅野博士

 これは1992年頃、今は亡き「少年キャプテン」誌で連載していた漫画です。作者は現在、菅野博之という名義で活躍されているようですね。まあ、基本的にマイナーな漫画で、単行本も絶版となって久しい今では、覚えている人も少ないかもしれません。
 科学少年がマッド・サイエンティストと知り合い、彼の作ったとんでもない発明品で騒動が起こる、という……ようするにドラえもんやキテレツタイプの漫画です。お話的には「作者の伝えたいこと」が前面に出すぎているところが個人的に少し趣味に合わないんですが、かっちりとした品の良い描線や、「とにかく科学が好きなんだ!」という作者の意気込みには好感が持てるところです。単行本で追加された科学解説も、イイ感じ。
 で、これに出てくるロボ子ちゃんというキャラが、なかなか良かったんですよ〜。

 まあ、まんまロボットの女の子なんだけど、顔面と髪の毛以外はメカむき出し、さすがに体は洋服で隠してるものの、手足はまんま骨組みだし、背中からは原子炉が突き出してる。顔も良く見ると、顎にビスだかリベットだかが一列に植わっているという異相。
 ところがそれでも、漫画の中で動き出すと十分可愛いんですよ、このキャラ。いや、むしろこの異相だからこそのキュートさがあるというか。実際、当時もそう思っていた読者が多かったようで、人気を反映するにつれ、ただの脇役だったはずなのに、漫画内での出番がどんどん増えていったですね。
 で、なんで急にこんなキャラを思い出したかというと、「ジェニーはティーン☆ロボット」14話の骨だけジェニーを見たからだったり。そうそう、このロボ子ちゃん、本名を嫌って自分の事を「リリカ」と自称してるんですが、これ、ちょっとだけジェニーっぽいですね。
 ……それはともかく、ジェニーを見てて思い出したシーン↓
 
 衝撃のロボ子ちゃん全裸シーン(笑)。この直前には人間を模した皮膚スーツ(これもちょっと「ジェニー」っぽい)を着て風呂に入ってたんですが、それよりもこっちの方に萌えるようになったら、あなたも立派なロボフェチです。

 ただこのロボ子ちゃん、後半になると「服装の趣味が変」「作り主の博士からモノ扱いされている」「首がもげる」「興奮すると背中の原子炉がメルトダウンする(!)」といった、ギャグっぽい描写が無くなってしまったのが、つくづく残念です。また、人気が出るにつれ、ロボットならではのピュアさとか無償の優しさといったものばかりがクローズ・アップされるようになったのも、ちょっと……。でも、世間一般的には、やっぱりこういうキャラの方が受けるんだろうなあ。個人的には、もっとアクの強いキャラの方が好きなんですがねえ。