『銀河旅行−恒星間飛行は可能か』石原藤夫

 中学生時代に胸躍らせて読んだ、ブルーバックスの名著。古書店で見つけて、懐かしさのあまり思わず買ってしまった。
 (執筆された)1979年現在の科学技術の延長線上で実現できる恒星間飛行システムを解説する、という内容の本。対になる『続・銀河旅行』では、バザード・ラムジェットなど「未来技術」による宇宙船を解説していたと思う(こちらも、もういちど読みたい!)。本書の方では、現用の化学推進システムから、電気推進システム、原子力熱推進システムなどを説明していて、最終的に、核融合パルス推進システムこそが、もっとも現実的な恒星間飛行システムであると結論づけている。
 再読して一番面白かったのは、太陽系近辺の恒星の配置から、最も適切な探検ルートを探る「銀河旅行のハイウェイ」の章。本当、今読み返してもワクワクするなよあ。
 それにしても、"宇宙船「ダイダロス号」は木星の近くに作られた巨大な基地を、今世紀の終りに出発し"なんて文章を読むと、70年代末にはまだ「アポロの残した夢」が切れ端ほどでも残っていたんだな、と、なんとも言えない気持ちになってしまった。

はてな年間100冊読書 73冊め)