book

二月に読んだ本

『神は沈黙せず』は改めて感想書くかも。気力があれば。GANTZ 2 (2) (ヤングジャンプコミックス)奥 浩哉 / 集英社 (2001-03-19) 再読。GANTZ 01 (1) (ヤングジャンプコミックス)奥 浩哉 / 集英社 (2000-12-11) 再読。ももえのひっぷ 2巻 (ニチブンコミックス…

未来の文学第3期配本が

来月からいよいよ始まる様子(『ダールグレン』はもともと第2期で刊行されるはずだった。これが第3期に延期され、代わりに『歌の翼に』が第2期として刊行)。 http://d.hatena.ne.jp/zeroset/20061115/p1 これを書いてからもう4年か……。 国書刊行会3月刊行予…

ベストSF2010

『SFが読みたい! 2011年版』「ベストSF2010」ランキング発表! 今年は全然SF読んで無いな。辛うじて『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』だけは読んでたけど、正直、自分の評価はあまり高くない(似たような傾向の短編ばかり集められても……)。SFが読みたい!…

一月に読んだ本

一月に読んだ本のまとめ。期間 : 2011年01月読了数 : 26 冊告白 上 岩波文庫 青 805-1アウグスティヌス / 岩波書店 (1976-06-16)はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲 (生活人新書) (生活人新書 308)佐藤 優 / 日本放送出版協会 (2009-12-08)ムダヅモ…

『ダーウィンと原理主義』メリル・ウィン・デイヴィス

ポストモダン叢書というシリーズ名や、タイトルからもなんとなく中身が想像できるが、ようするに「科学者も、キリスト教を信じている敵と同じように原理主義者になりうるのではないか(p5)」ということを主張している本である。著者は人類学者であり、BBCの…

『剣のなかの竜』マイクル・ムアコック

新訳による再刊エレコーゼ・サーガの二巻目。 一応再読なんだが、例によって内容はすっかり忘れてしまっていた……。ただ20年前よりは、ずっと面白く読めたと思う。当時気になったあからさまなアレゴリー、符丁も、今読むと意外と鼻に付かないのは、自分も年を…

年間100冊読書終了

えー、去年8月から「はてな年間100冊読書クラブ」というものに参加しまして。 今年の8月までに百冊読もう、と目標を作ってはみたんですが……。 ダメでしたねえ〜。うーむ。 結局、百冊達成するのに、4ヶ月超過してしまいました。 もともと読むスピードは遅め…

『時の眼』アーサー・C・クラーク、スティーヴン・バクスター

巨匠クラークに俊英バクスター、新旧イギリスSFを代表する作家二人による合作。表紙にはクラークの名前が大きく書かれているが、『過ぎ去りし日々の光』同様、実作業としてはたぶんバクスターのウエイトの方が大きいんだろうな。 タイム・オデッセイ二部作の…

『ディズニーとライバルたち―アメリカのカートゥン・メディア史』有馬哲夫

アメリカのカートゥーン映画の歴史を、ウォルト・ディズニーを中心に、フライシャー兄弟、ポール・テリー、ウォルター・ランツなど、もっぱらその製作者たちに焦点をあてて紹介した本。以前から興味を持っていたのだけれども、刊行当初から様々な人によって…

十一月の近刊予定から、気になる本

ハヤカワ・オンライン|早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション 日本SF全集・総解説 2,100円 日下三蔵(著) 刊行日: 2007/11/25 架空の日本SF全集を編集する、というコンセプトで贈るファン待望の通史的ブックガイド。SF黎明期から一九八〇年代前半まで…

『音を視る、時を聴く [哲学講義]』大森荘蔵、坂本龍一

その昔朝日出版社から出ていた本が、何故か突然、今年の4月に文庫化されたもの。 実は一度、高校生の頃の頃に読んでいて、ちんぷんかんぷんだった覚えがある。今なら大丈夫だろうと思って手を出したら、やっぱりちんぷんかんぷんだったのが情け無い。坂本龍…

『20世紀SF1 1940年代 星ねずみ』中村融、山岸真編

世紀の変わり目の頃に刊行された年代別アンソロジー、「20世紀SF」シリーズ。当時、買うだけ買って解説と後書きだけ読んだまま、『1990年代』以外はそのまま積んでしまったものだが、改めてきちんと読んでみることにした。 で、『1940年代』編だが、さすがに…

『ペンギン、日本人と出会う』川端裕人

『夏のロケット』の作家、川端裕人によるノンフィクション。明治時代のファースト・コンタクトから始まって、何故日本人はペンギンが好きなのか?という切り口から、日本のペンギン受容史を描いている。 西洋においてペンギンは、概して「ユーモラス」「威厳…

『心はプログラムできるか』有田隆也

ソフトバンクから去年暮れに創刊された「サイエンス・アイ新書」の一冊。この新書は初めて読むが、厚手の紙に多色刷りの図版を多く使用していて、一見軽めに見えるものの、実際に読んでみると、結構内容はしっかりしている。ただ文字数の少なさから、ブルー…

『セメント・ガーデン』イアン・マキューアン

ぼくと姉は、母親の死体をセメントに埋めた。離れ離れにならないために。両親の死をきっかけに、思春期の少年が見出した楽園とその崩壊。死体遺棄、近親相姦をテーマに放つ、現代英国文壇の旗手の長篇第1作。 『アムステルダム』『愛の続き』『夢みるピータ…

『ひらがな日本美術史3』橋本治

第3巻は室町から江戸初期へ、すなわち近世のとば口を扱っている巻。今回もいくつか、気になった言葉をメモ。 45.身分の低かったもの「辻が花小袖」 平安時代、身分の高い女性たちは、「小袖」という服の上に「大袖」というものを羽織っていた。袖の小さい「…

十月の近刊予定から、気になる本

早川書房近刊案内 英国紳士、エデンへ行く 2,730円 マシュー・ニール(著) 刊行日: 2007/10/25 〈プラチナ・ファンタジイ〉〈ウィットブレッド賞受賞〉十九世紀半ば、エデンの園を求めて、タスマニア島へと船出した三人の英国紳士が、旅の果てに見たものと…

『ひらがな日本美術史2」橋本治

ひらがな日本美術史シリーズの二冊目、今度は中世編と言う事で、院政期から室町時代までを扱っている。 まずは日本や中国など東アジアの上流階級では、古来「肉体」というものを軽視していた、という話。絵巻ものに「ポルノ」は少なく、中国でも性のテクニッ…

『銀河旅行−恒星間飛行は可能か』石原藤夫

中学生時代に胸躍らせて読んだ、ブルーバックスの名著。古書店で見つけて、懐かしさのあまり思わず買ってしまった。 (執筆された)1979年現在の科学技術の延長線上で実現できる恒星間飛行システムを解説する、という内容の本。対になる『続・銀河旅行』では…

『ひらがな日本美術史』橋本治

以前このシリーズについては、ちょっとだけ感想を書いた(http://d.hatena.ne.jp/zeroset/20070223/p1)。今までシリーズ全般にわたって飛び飛びにトピックをつまみ読みしてたけれども、今回、図書館から借りてきて、初めからきちんと読んでみた。 以下、特…

『ゴーレム100』アルフレッド・ベスター

本当はゴーレム^100(ゴーレム100乗)だけど、TeX記法で書いてもなぜか変な表示になるので。 22世紀のある巨大都市で、突如理解不能で残虐な連続殺人事件が発生した。犯人は、8人の上品な蜜蜂レディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召喚した謎の悪魔ゴー…

『まだ見ぬ冬の悲しみも』山本弘

『神は沈黙せず』の山本弘による短編集。 集中のベストは、やはり表題作。いわゆるタイム・パラドックスものの一変種だけれども、このひねり方、発想は凄いと思う。ちょっとイーガンの「位相夢」を連想してしまった。 「メデューサの呪文」に出てくる言語文…

九月の近刊予定から、気になる本

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html 軍犬と世界の痛み 777円 マイクル・ムアコック(著) 刊行日: 2007/09/10 〈魔王ルシファと盟約を結んだ英雄 フォン・ベック伯爵登場! 世界幻想文学大賞受賞!〈永遠の戦士 フォ…

オズ・シリーズ

最近、オズ・シリーズをまとめて読んでいます。 昔早川文庫からシリーズ14冊が訳出されていたものの、現在では全て絶版。たまたま寄ったブックオフにシリーズ五冊が売っててラッキーでした。最初は一冊だけ(『オズのオズマ姫』)読むつもりだったんですが、…

八月の近刊予定から、気になる本

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html 日本SF・幼年期の終り 1,575円 早川書房編集部編(著) 刊行日: 2007/08/25 一九六八年十月に刊行が開始された『世界SF全集』(全35巻)。その月報に掲載された星新一、手塚治虫…

『襲撃者の夜』ジャック・ケッチャム

現代アメリカで食人族を大暴れさせた、鬼畜スプラッタ小説の金字塔『オフシーズン』の続編登場! ……と、いうことで、期待して読み始めたこの作品。ただ、前作と比べると心持ち大人しい印象を受ける。いや、まさかあのキャラとか、このキャラが生き残るとは思…

七月の近刊予定から、気になる本

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html 本泥棒 2,310円 マークース・ズーサック(著) 刊行日: 2007/07/10 ナチス政権下のドイツ。里子に出された孤独な少女リーゼルの密かな慰めは、本を盗むことだった。数奇な運命を辿…

『受胎告知』『最後の晩餐』『磔刑』『十字架降下』

金銀に輝く表紙とコンパクトな体裁が印象的な、ファイドンのキリスト教美術シリーズ。四冊まとめて読んでみた。 このシリーズのミソは、同一モチーフの絵画を編年的に並べてあること。宗教画というものは、どうしても様式化されやすい。その性質上、題材の扱…

『ハンニバル・ライジング』トマス・ハリス

『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に続くレクター博士もの第4作。今作はレクター博士の幼少時代から青年にかけてを描いている。いわばハンニバル・エピソード1という趣。 前作にはかなり失望させられたものだけど、今作はさすがに全然期待…

『黒曜石のなかの不死鳥』マイケル・ムアコック

エルリックに引き続いてエレコーゼ・サーガも新版刊行開始。エルリック最終巻『白き狼の息子』で、エレコーゼとのリンクが示されていたので順当な流れではあるのだけれど、初読の人がこの順序で読んだら面食らうだろうなあ。自分は「永遠の戦士」(旧題「永…