九月の近刊予定から、気になる本

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html

軍犬と世界の痛み 777円 マイクル・ムアコック(著) 刊行日: 2007/09/10
〈魔王ルシファと盟約を結んだ英雄  フォン・ベック伯爵登場!  世界幻想文学大賞受賞!〈永遠の戦士 フォン・ベック1〉〉〈軍犬〉の異名を持つウルリッヒ・フォン・ベック伯爵による驚くべき〈聖杯〉探索の旅

 ハヤカワ「永遠の戦士」に、今度はフォン・ベック・シリーズが登場。もっともエルリック新三部作も、どちらかというとフォン・ベック一家の方が主役と言うべきか。以前集英社のワールドSFという叢書*1から出ていた『堕ちた天使』が改題されて再刊されるもの。訳者は同じ人だけど、中身に手は加えられているのかな?
 あと、『今日の早川さん』がいよいよ発売ですね。
http://www.tsogen.co.jp/np/kinkan.do

千の脚を持つ男 スタージョン、デイヴィッドスン他/中村融 編 【創元推理文庫
モンスター小説は人間の心の奥深く働きかけ、読者を魅了して止まない。古今のホラー、SF短編から怪物ものを精選、キース・ロバーツの本邦初訳中編をふくむ全10編を収録。

 ホラーSF傑作選『影が行く』、SF映画原作傑作選『地球の静止する日』、剣と魔法の物語傑作選『不死鳥の剣』と、中村融による創元推理文庫のテーマ別アンソロジーは評判が良い。買ってみようかなあ。
http://www.kawade.co.jp/np/forthcoming.html

幻の下宿人 ロラン・トポール 著 榊原 晃三 訳
定価819円(本体780円)
 画家であり、小説家でもあるフランス異色作家の描いた平凡な日常生活にひそむ落とし穴。アパートの部屋をめぐって繰り広げられる地獄絵図。女装、窃覗、狂気の行方をブラックユーモアたっぷりに描く怪作!

 昔、早川のブラック・ユーモア選集で出ていた作品。自分にとってローラン・トポールと言えば、ルネ・ラルーのアニメ『ファンタスティック・プラネット』の作画が、なんといっても印象的。その強烈に幻想的で生々しいイメージは、一度見たら忘れられないものがあります。この作品も、以前から読みたいと思っていたもので、かなり楽しみです
 あと、奇想コレクションからタニス・リーの『悪魔の薔薇』とか、文庫でウィリアム・バロウズアレン・ギンズバーグの『麻薬書簡(再現版)』など。

*1:今にして思えば、渋いラインアップだった。バラードの『22世紀のコロンブス』とか、得体の知れない作品もあったけど。自分が持っているのは『堕ちた天使』とディック『人間狩り』だけだけど、どちらも再刊されることになるんだよなあ……。