オズ・シリーズ

zeroset2007-08-13

 最近、オズ・シリーズをまとめて読んでいます。
 昔早川文庫からシリーズ14冊が訳出されていたものの、現在では全て絶版。たまたま寄ったブックオフにシリーズ五冊が売っててラッキーでした。最初は一冊だけ(『オズのオズマ姫』)読むつもりだったんですが、なんか妙にはまってしまい、他四冊(『オズへつづく道』『オズのエメラルドの都』『オズのチクタク』『オズのブリキの木こり』)もまとめて購入、更に図書館にあった二冊(『オズの虹の国』『オズのつぎはぎ娘』)も借りて読みました。
 ストーリー自体はほんっとうに他愛無いものなんですが、独特のシュールな味わいとフリークス趣味、ヨーロッパ産のファンタジーには見られない人工的な感触があって、ちょっとドラッギーな楽しさがあります。このあたりは白黒無声時代から現在まで続くアメリカ産カートゥーン独特の魅力に通じるものがあるかも……というより、ある意味源流じゃないかな、と。
 それに登場人物のキャラが立ってるので、会話を読んでるだけで楽しいんですよね。特に非・人間キャラは、価値観や常識が人間とは微妙にずれていて面白い。
 あとやっぱり新井苑子のイラストが良いですねえ。特にシリーズ初期の挿絵は良い意味でバタ臭くて、最近のイラストには見られない魅力がありますよ。