『SFが読みたい!2007年版』SFマガジン編集部編
毎年恒例のSF年鑑。今年の海外編ベストは『デス博士の島その他の物語』で、これはまあ、納得。単に「長い」とか「重い」とか「複雑」とか、そんなモノじゃない、読み応えありまくりの短編集だった。その他ベスト10内だと『グラックの卵』『ベータ2のバラッド』が既読だった……あれ、どれも国書刊行会だな。今年は60〜70年代のSFばかり読んでたなあ。
読んでない中では『移動都市』が面白そう。宮崎駿っぽいとのこと。
あと、今年の特集として「00年代前半ベスト」の発表もあったけど、こちらは選者のコメントが無く、順位だけだったので拍子抜けだった。この手のベストって、順位よりコメントの方がずっと楽しみなんだけどなあ。テッド・チャンが一位というのは意外だったけど、これはイーガンが票割れしてたからなんだろうな。なんとベスト10内4作がイーガンだという……。
鏡明らの座談会を読んで、そう言えば「00年代前半ベスト」に大原まり子も神林長平もいないことに気が付いて、ちょっと唖然とした。まさに世代交代の時期だったんだな……。
最後に、今年の刊行予定作品で楽しみなのを、メモ。
- 早川書房:『レッドローブ』(粗筋だけみると「マルドゥック・スクランブル」?)、ティプトリーの『輝くもの天より落ち』。あとムアコックでエレコーゼ再刊とフォン・ベックもの。
- 河出書房新社:当然、「奇想コレクション」のスラディックとイーガン短編集が一番。でも、本当に今年中に出るのかいな。
- 国書刊行会:『ゴーレム100』が三月に出るとの事。そして伊藤典夫評論集が、21世紀中には刊行!……って……。
- 扶桑社:ケッチャム『オフシーズン』の続編が登場とのこと。
SFが読みたい!〈2007年版〉発表!ベストSF2006 国内篇・海外篇
- 作者: SFマガジン編集部
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
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