幻のSFミステリ『キングとジョーカー』が復刊

 ピーター・ディキンスンのSFミステリ『キングとジョーカー』が11月28日に扶桑社から復刊されるようです。セブン&アイの総合通販サイト|オムニ7
 ただでさえ古書価高めなサンリオSF文庫の中にあって、最高ランクの入手難易度とプレミア価格(四桁越え!)を誇る本書。理由としては、SFとミステリ両方のファンから狙われていた、という事情があるようです。ちなみにサンリオ版販売当時、自分が買った理由は、単に可愛い王女様が出てくるから、という不純なものでしたw。
 一応パラレル・ワールドの英国を舞台とはしていますが、その設定は「お姫様を探偵役として、王室内の因縁を描く」という一点のみのために用いられているため*1、SF味は希薄。扶桑社ミステリという枠で復活するのは、本望と言えるでしょう。解説が、同じくパラレル・ワールドの英国を舞台としたミステリ「キッド・ピストルズ」シリーズの山口雅也というのも、ベスト・チョイスかも。

キングとジョーカー (扶桑社ミステリー)

キングとジョーカー (扶桑社ミステリー)

 そういえば、扶桑社からはキース・ロバーツの『パヴァーヌ』(→前書いた感想)も復刊してたっけ……と思って調べてたら、こちらは復活したのに全然売れなくて、あっという間に再び絶版になっていたらしい orz。皆さんも、欲しい本は迷わずに買っておきましょう。

*1:要するに、実在の王室を舞台とするには色々と差し障りのある内容、という事です。