『ぴっかぴかコミックス ウメ星デンカ』藤子・F・不二雄

 12月・1月のぴかコミ藤子F作品は『ウメ星デンカ』低学年版。デンカを読むのは小学校以来のことなので、当時のことを思い出しながら実に懐かしく読めた。ナラ子とか、その存在自体完全に忘れてたなあ。パーマンのガン子そっくりで可愛いね。
 久しぶりに読んで思ったのは、やはりこの作品、壷から出した道具で騒動が起きる「ドラえもん」パターンのエピソードより、むしろ王さまやベニショーガがせせこましくも珍妙な騒動を巻き起こす「オバQ」タイプのエピソードの方が本分じゃないかな、と言うことだった。この点ではデンカよりも、権力者だったくせに子供っぽくて天真爛漫な王様の方がずっと印象的だったな。あと、ベニショーガが50円とか100円単位でお金を集めてるのもね、当時、子供の金銭感覚ですごく共感できるし、しかも大がそんなお金で右往左往しているのが可笑しい、という。
 逆に今だからこそ実感出来るのは……普通の家庭にあんなに居候がいちゃ本当に大変だろうな、ということ。しかも大の大人が3人もいるし。でも王様って、本当にイイ人なんだよなあ、追い出すのもなんだしなあ……と、最後の「うれしいような、こまったような顔」をする両親に、感情移入も出来るようになった30男であった。

ウメ星デンカ 1 (ぴっかぴかコミックス)

ウメ星デンカ 1 (ぴっかぴかコミックス)

ウメ星デンカ 2 (ぴっかぴかコミックス)

ウメ星デンカ 2 (ぴっかぴかコミックス)