赤毛のアンメモリアル・アルバム

 先週届いて以来ぽつぽつとページを繰ってるんですが、いい出来です。月並みな言葉ですが、ファン必携の出来かと。角川書店から90年代に出たイラストレーテッド・コレクションを買い逃した自分としては、まさに20年間待ち続けた本。
 圧巻は井岡雅宏による背景と美術ボード集、そして宮崎駿による美術設定。いずれも背景美術という、いわば裏方的な仕事なのだけど、これがいかにこのアニメにおいて重要な役割を果たしたか、収められた資料を見てるだけで良く分かる。はっとさせられたのは、グリーンゲイブルズなど登場する家々の部屋を飾っていた、壁紙についての言葉。単調でしかも幾何学的な配列(アラが目立ちやすい)の壁紙は、背景美術に組み込むにはリスクが高すぎたのだが、高畑監督と井岡氏の勇断で取り入れることに決定したと言う。壁紙なんて、ほとんど見過ごしてしまうようなものだが、時代考証レベルの話だけでなく、これのあるなしでグリーンゲイブルズの持つ家庭的な雰囲気が大きく左右されたことは想像に難くない。
 あとはレイアウト集。3話分たっぷり収められているのが嬉しい。でも、ここまできたら全話分見たかった、収録して欲しかった。贅沢な話ではあるんだけど……。
 それにしてもやっぱりアン、何回見てもいいなあ。

世界名作劇場「赤毛のアン」メモリアル・アルバム

世界名作劇場「赤毛のアン」メモリアル・アルバム