『Alice in (Pop-Up) Wonderland』J. Otto Seibold

zeroset2005-08-01

 オットー・シーボルトによる『不思議の国のアリス』飛び出す絵本。Hugo Strikes Back!のコンテンツテニエルでないアリスで書影を見かけて、すごく気になってた一冊。
 オットー・シーボルトの絵本を見るのは初めてだが、ポップでカートゥーンっぽい絵柄がなかなかに親しみやすい。アリスは長鼻、ギョロ目、タラコ唇となかなか強烈な姿で美少女というイメージからは縁遠いが、慣れればこれはこれで可愛いと思う。まあ、普段ニック・トゥーンとか見てると、この程度は……。
 それにしても最近の飛び出す絵本は仕掛けも多彩なんだな、とびっくり。ダイヤルを動かすとキャラクターの手足が動くし、蛙の使いが持っている封筒を開けるとちゃんと中に便箋が入ってたりするし。ただ、仕掛けが多すぎで結構デリケートな構造なので、子供に遊ばせたら、あっという間に壊してしまいそうだけれども……。一番感心したのは。色付きフィルムを動かしてチェシャ猫を消す仕掛け。ダイナミックな飛び出し効果と数々のギミックは、ポップだけれどもグロテスクぎりぎりまでディフォルメされた絵柄との相乗効果で、アリスの世界にぴったりはまってると思う。仕掛けを動かすのも面白いし、背景のキャラクターもかなり凝ってるので、何度見ててもニヤニヤしてしまう。次は是非『鏡の国』も……。
 写真は冒頭、ウサギ穴に落ちるアリスのシーンです。

Alice in Wonderland

Alice in Wonderland