「老婦人とハト」:CSシネフィル・イマジカ

zeroset2005-02-15

 録画した「世界の短編100本」特集をぼちぼち観ています。本作は『ベルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメ監督による短編作品(第7回広島アニメフェスにてグランプリ受賞)。ハトの扮装をして老婦人から餌をありつこうとした男を描く。飢えた老人がまた別の老人にたかろうとする姿は醜悪で情けないが、滑稽で、どこか妙な共感も感じさせる。食べ物にありついた男が自室で小躍りするシーンが印象的だ。しかし、話はブラックな結末を迎える事に……。
 カリカチュアされたキャラクター・デザインと麻痺的な動きは、可愛いというよりはっきりグロテスクで、かなり人を選ぶ作風かも。個人的には好きです。カートゥーンの「おくびょうなカーレッジくん」が好きな人なら、これもいけるかもね。くすんだ色使い(戸外に出るとセピアがかった感じになるのが、また良い)や抑制された音楽の使い方も凄く完成度高いと思う。ああ、『ベルヴィル・ランデブー』が観たいなあ。