『アニメーションの宝箱』五味洋子

　元アニメーターのアニメ評論家、五味洋子のアニメーションガイド本。
　一作品1〜2ページ程度を使って紹介しているが、ノーマン・マクラレンから『デジモンアドベンチャー』まで・・・要するにアートアニメーションからいわゆる「アニメ」までをまとめて紹介してるというのが面白い。最近の本では珍しいんじゃないかな。昔だったら、アニメージュあたりがこの手の役割を引き受けていたと思うのだが・・・。ちなみに、読んでいるうちに、自分がアートアニメや海外アニメの世界に触れるきっかけになった、おかだえみこ『アニメの世界』ISBN:4106019566 を思い出した。もっともおかだ氏ほど個性的な（アクの強い）紹介文では無いが・・・。あと、『アニメの世界』の様に、もうちょっと歴史的な変遷や技法等についての説明も欲しかったような気がする。でも、これは本の性質的に言って贅沢な注文と言うものか。
　『わんぱく王子の大蛇退治』をあしらった、黄色と赤の表紙が綺麗。中身も全ページカラーなのが嬉しい。