「活字探偵団 増補版」本の雑誌編集部・編

活字探偵団 (角川文庫)
 「本の雑誌」の名物コラムをまとめたもの。探偵団の名の通り、出版業界にまつわる色々な疑問を調査してみる、といった企画。調査といっても、割といい加減なところが、いかにもこの雑誌らしい。雑誌の静岡県版とは何か(静岡県では雑誌がテスト販売される事が多いらしい)みたいに、割と普通に疑問を解く形式も面白いが、ヒーロー小説の本のバーコードをバーコード・バトラーに掛けて最強を決定したり、といったバカ企画も楽しい。
 自分が「本の雑誌」を良く読んでたのは80年代末から90年代初頭に掛けて。そのころ、書店でバイトしてたんだけど、レジの前に置かれてたこの雑誌は、ヒマな時間(ほとんど無かったけど)に読むのに最適だった。この文庫に収められている内容は、ちょうどその頃のものが多くて、読んでてなんだかとても懐かしくなった。「カーヴァー全集の箱がきつくてきつくて、まだ中を読めない!」なんて、実際に書店員として経験したことだったりするし・・・。ああ、あの頃は俺の生活のほとんどが、書店を中心に回っていたなぁ・・・。