ぼくドラえもん9号

 とうとう朝日新聞書評欄からまで付録のショボさを指摘された「ぼくドラえもん」。今回の付録はクリアファイルなので、まだマトモな部類か。もっとも、ファックスシート(ただイラストが印刷されただけのペラ紙)に比べたら、どんな付録でも良く見えるわけだが。
 今回の特集は割りと良かったかな。ただ、もうちょっと記事のボリュームがあればなあ。雑誌のコンセプト上、あまり字を多くしたく無いんだろうけど。
 未収録作品集8〜10ページののび太には本気で泣けた(つД`)。肩を抱いて励ましてやりたくなるよ。
 しかし、今にして改めて思うのだが、のび太って藤子F作品でも飛びぬけて「ダメ」な主人公なんだよなあ。ミツ夫や21エモン、空夫、正太郎、キテレツと、他の代表的作品の主人公と比較すると、のび太だけちょっと異質。それはヒロインの静ちゃんにしてもそうで、他の藤子作品のヒロインに比べると、(特に後期の作品は)異質と言うか、マドンナ的・完璧なヒロインという印象が特に強い。おそらく、この二人は藤子作品でも特に、作者の願望や自己投影がストレートに出たキャラクターなんだろうな。そしてそれが、この漫画を国民的な人気作とする要因の一つだったのだと思う。抑制された中に、作者のオブセッションが垣間見える作品は、独特の魅力を持つものだから。