七月の近刊予定から、気になる本

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/book/list.html

本泥棒 2,310円
マークース・ズーサック(著)
刊行日: 2007/07/10
ナチス政権下のドイツ。里子に出された孤独な少女リーゼルの密かな慰めは、本を盗むことだった。数奇な運命を辿る「本泥棒」の一生を、「死神」がナレーターとなって読者に語りかける異色の物語文学

 なんだか気になる話。物語を巡る物語、ってのに弱いんで。

輝くもの天より墜ち 987円
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(著)
刊行日: 2007/07/25
惑星ダミエムを訪れた観光客たちは、驚くべき事件に遭遇するが……人気作家待望の長篇

 ティプトリーの純粋な長編としては、初めての翻訳になるのかな。短編のキレが、長編でもそのままあるのなら、ちょっと凄いかも知れない。なんにせよ、楽しみです。
 後はエレコーゼ二巻目『剣のなかの竜』とか、映画『トランスフォーマー』のノヴェライズとか。
http://www.tsogen.co.jp/np/kinkan.do

不確定世界の探偵物語
鏡明 【創元SF文庫】
この世に1台きりの装置“ワンダーマシン”が過去を自在に書き換えてしまう。私は私立探偵。だがすべてが変わってしまう世界で探偵に何ができるというのだろう。時間SFのまったく新しい展開。

 創元で日本SFを扱う、しかも『銀河英雄伝説』がラインアップに入ってると知って、あまり良い気持ちはしなかったのだけれど*1、実際半年経ってみると、なかなか渋いセレクションが続きますねえ。最近は日本SFをあまり読まないのだけれど、ちょっと応援したくなります。
 後はホークムーン最終巻『タネローンを求めて』とか。しかし、早川の『剣のなかの竜』と続けて読んだら、初読の人は戸惑いそうだ。
http://www.kawade.co.jp/np/forthcoming.html

「雲」の楽しみ方
ギャヴィン・プレイター=ピニー 著
桃井 緑美子 訳
定価2,520円(本体2,400円)
大空にさまざまな表情を与えてくれる雲。来る日も来る日も青一色の空を見せられたら人生は退屈だ。本書は、英国でベストセラーになった、豊富な写真入りの愉快でへんてこな雲一族を真面目に紹介する世界初の科学ガイドブック。

 これまた楽しそうな本。「真面目に紹介する」という所に期待したいです。こういうのは、まじめにやるほど面白い。
 そう言えば、最近出た本で、書店で見かけるたびにめくって見てしまう写真集が、これ↓

火星からのメッセージ

火星からのメッセージ

 書名だけ読むとスピリチュアル系っぽくて、いかがわしそうなんだけど、これはNASAの探査機マーズ・エクスプロレーション・ローバーが撮影した火星の風景を、パノラマで収録した写真集。ただただ赤い荒野が続いてるだけなんだけど、これが異星の光景なんだと思うと、結構想像を掻き立てられます。特に、火星の大地に延々と残るローバーの車輪跡を捕らえた表紙の写真とか、ちょっとすごい。
 ……もっとも、さすがに写真だけダラダラ見てるだけだと、すぐに飽きるんですけどね。

*1:英伝自体の良し悪しがどうこうじゃなくて、今まで何回も形を変えて刊行されてて、入手も容易なものを、なんで態々創元で……ということです。念の為。