チョーク・ゾーン クリスマス・スペシャル:CSニコロデオン

zeroset2007-01-10

 去年の12月25日に放送されたクリスマス・スペシャルの感想です。TV.com及び(公式サイトの癖にTV.comの丸写しっぽい)Frederatorのサイトでは"ChalkZone Christmas"というタイトルになってるものの、実際にクレジットされたタイトルは"When Santas Collide"。またTV.comでのエピソード・ナンバーは#27となっているものの、これだと日本でのEPGの情報と食い違うんだよなあ……。
 クリスマスのタブーティ家。ルディは楽しみにしていたプレゼント、色鉛筆セットが用意されてないと思い込み、家族の前で怒り出してしまう。「サンタなんて僕には関係無いや!」……ルディって結構こういう癇癪を起こすんだけど、そこらへん、いかにも子供らしくて微笑ましい。
 むくれたルディは子供部屋に閉じこもって、一人チョーク・ゾーンへ行ってしまう。そこで行われていたのは年に一度の冬至のお祝い、世界各国の民族衣装で身を固めた住民たちが、みんなで仲良く「メリー・クリスハヌカマス・アンド・ハッピー・ラマカンザダン!」(Merry chris-hanukah-mas and a happy rama-kwanza-dan!)。ふむふむ、キリスト教のクリスマス、ユダヤ教ハヌカー、イスラム教のラマダン、あと一つは良くわからないので調べてみたら、アフリカ系アメリカ人のお祝い、カンザというものらしい(参考)。他にもガネーシャ神や中国のドラゴン、十二支の動物らしいものまで集まって、みんなで歌い踊っている。

 アメリカでも最近はクリスマスから宗教色を無くして、単に"Happy Holiday"とする動きが盛んなようですが、こういう風に、とにかく皆ごちゃ混ぜにしちゃう、というのも面白いんじゃないかなあ……なんて思ってしまうのは、日本人ゆえのお気楽さからかな。ただ個人的には、なまじ宗教色を消して「漂白」して誤魔化す(それは宗教原理主義的な考えと、ある意味表裏一体な気がする)よりも、こういうやり方の方が好感が持てるんだよね。ともあれ、楽観的と言わば言え、お祝いの日なんだし……。「文化の違いはあるけれど、嬉しい気持ちは誰でも同じホリディ。一緒に祝えばもっと楽しいホリディ」と住民たちが祝い踊るシーンには、製作者たちの「思い」を感じ取ることができます。
 さて、チョーク・ゾーンのお祝いのクライマックスは、8人のサンタによる一斉飛行。ところがルディが管制塔の機械にジュースをこぼしてしまった(ここで何故か機械に404エラーと出るのが笑える)事から、サンタ達が墜落してしまう……。ここでルディが、てきぱき復旧を指導するところが、イイねえ。現実世界ではただの男の子、でもチョーク・ゾーンではヒーロー。こういうパターンはお話しとしては珍しくないんだけれども、この番組の場合、ルディがヒーロー足りえる資質を、ちゃんと彼自身の中に設定しているのが嬉しい。このへんは、まさしく「正しいジュブナイル」らしいところで、このエピソードでも、ラストのルディの行動に効いてきます。最後、現実世界に戻ったルディによるパパとの仲直りに、他人を思いやるようになった成長まで盛り込んでいるのが憎い。ハミングと共に想い出のアルバムのページが閉じられるラストシーンも、余韻があって印象的。
 ただ欲を言えば、せっかくのチョーク・ゾーンなんだから、サンタのデザインにもっとぶっ飛んだものが欲しかったところだが……こういうパンチの無さが、この番組の物足りないところなんだよなあ……。
 あ、そうそう、今回ペニーがいまいち活躍しなかったのも、不満と言えば不満。珍しくパンツルックだったのもこれはこれで可愛いけど、やっぱりいつもの恰好の方が良いや。と言う訳で、今回ペニー関係で良かったのは、管制塔に向かう前にスナップ相手にルディの取り合いをするシーンと、あとタブーティ家で、ルディがいないのを誤魔化すために歌うシーンかな。微妙に音痴なのが、むしろイイ!