チョーク・ゾーン#34:CSニコロデオン

zeroset2006-07-11

 5月7日放送分。
 古い映画館で遊ぶルディとペニー。そこにあった黒板からチョーク・ゾーンに通り抜けると、白黒無声映画の世界が広がっていた・・・・・・というお話が、今回最初のエピソード"Mellow Drama Falls"。一切声が聞こえず、びっくりマークや視線などの漫符が飛び交ったり、クローズ・アップの代わりに画面が丸くトリミングされたり、と白黒無声カートゥーンそのまんまの演出が楽しい。ストーリーボードはPat Ventura。彼のOh Yeah! Cartoonsでの担当作品を見ると、古典的カートゥーンへの回帰志向を感じことがあるので、今回のエピソードは適任かもしれない。ただ、動きや演技がいつものPat Ventura節なので、どこか違和感あるんだよなあ。このあたりの徹底度はパワーパフガールズでの同様のお話(「盗まれた声」)の方に軍配があがるかな。
 あと、危機一髪で助けられたペニーが、衝動的にルディを突き飛ばすところがいい。助けてくれたルディを突き飛ばすんだから理不尽なんだけど、思わずやっちゃう、というその気持ちは分かる。こういう「定型的」で無いことをキャラクターがやってくれると、なんだか嬉しくなるなあ。キャラの「生命感」を感じられる、というか。
 ショート・ショート"Journey to the Center of the Yeti"はスナップがテレビキャスターを務める「スナップ・ショット」シリーズの一編。いつもレポーターを務めるスパイフライ、今回はヤダヤダ山のイエティの取材に行く羽目に。腋の下とか耳の穴とか、臭そうな所ばかりに行かされ、ため息付きつつ「これで終わりですよぉ」と嫌々レポートを続けるスパイフライがカワイイ。
 "The White Board"は、ベッドでペニーと電話でおしゃべりするルディ、というシーンから。やがてタンスからにゅっと顔を出すペニー。ルディたちがチョーク・ゾーンへ入るときも、ひらひらと舞い降りるような不思議なポーズ。妙な演出だなあ、と思っていたら・・・・・・なるほど、夢オチですかぁ。チョーク・ゾーンがあるならホワイトボード・ゾーンもあるだろう、というアイデアが面白いだけに、お話としてこれ以上発展させることが出来ないのは、ちょっと惜しいような気がする。
 今回は何故かミュージック・クリップは無し。その替わりにショート・ショート"Doofas Penny"が。おまぬけペニーの怪発明に翻弄されるスナップのお話。