サムライジャック#52:CSカートゥーン・ネットワーク

zeroset2006-06-09

 昨日放送分。一応これがラストエピソード、のはず。
 森の中の桃園で赤子の泣き声を聞いたジャック。彼は近くの洞窟で鬼に食べられそうになっていた赤ん坊を救い出し、ともに旅をするが……。
 なんと言うか、とてもほのぼのとしたお話。ジャックが赤ん坊に寄せる愛情が、微笑ましくもいとおしい。家族はとうに消え、見知ったものもほとんどいない世界で、ふと自分の胸元に飛び込んできた赤ん坊を、ジャックはどんな気持ちで抱いたのだろうか……なんて考えながら見てたら、涙出てきた(;_;)。年取ると涙もろくなって、やあねえ。
 (暫定)最終回にこういう話を持ってきた、というのは、やはり「子連れ狼」へのオマージュなんだろうな。フランク・ミラー肝いりの英訳版が出てるはずだし。ラストシーンは「ジャックの旅は、いつまでも続く。しかし、サムライの精神は、彼の行く先々で人々に受け継がれていくのだ……」というところか。ただ、最後の赤ん坊の顔で、ちょっとギャグっぽくなってしまったのが、なあ……。話は同じようなのでもいいから、もうちょっと余韻のある終わり方には出来なかったものか。クリエイターのゲンディ・タータコフスキーがアニメ業界から転職してしまっただけに、特に、なんか惜しいよ。同じ作者でもデクスターズ・ラボの実質的な最終回「戦え!デクスターズ一家」なんかは、良く出来てたよなあ。


 さて今回のエピソードには、ジャックの語りによる挿話として「桃太郎」の話が出てくる。また変な日本描写が出てるんだろうな、と半ば楽しみに見ていたら、思ったよりもしっかりとした描き方で、ちょっとびっくり。細かく見れば変なところも多々あるかも知れないけれど、例えばおじいさんおばあさんの家なんかは、ちゃんと「むかしばなし」な雰囲気が出ていて、やれば出来るじゃん!という感じ。桃太郎の格好がまさかり担いだ金太郎風なのは違和感あるが、
http://www.tude.tamagawa.ac.jp/joinus/info/forum/forum05/
こういうところを読むと、むしろこっちが正解なのかも知れない。
 桃太郎もコロコロと丸くて、とても可愛い(なんとなく「戦え!デクスター一家」の日本人留学生ヒロを思い出したりした)。犬猿雉は言うに及ばず。ゲンディ一家による、こういう絵でのカートゥーンも見たかったなあ。
 ところで、桃太郎のお話って、アメリカではどの程度ポピュラーなのだろうか。一応紹介だけはされているようだが、一般にどれだけ認知されているのかよく分からない。
 実は十数年前、坂本龍一ファンの間でちょっとだけ話題になったCDがある。その名も「Peachboy」。

Peachboy

Peachboy

 Simon & Schuster社から出版された同題の絵本を元にした、シガニー・ウィーバーによる朗読CDで、教授は音楽を担当していた。同じ布陣による紙芝居風アニメもあるが、実際は絵本とCDとアニメで、どれが最初に出たものやら、前後関係が良く分からない。
 ともかく、その絵本に出てくる桃太郎がこれ。
Peachboy: A Japanese Folktale (Rabbit Ears)

Peachboy: A Japanese Folktale (Rabbit Ears)

 なんというか……誰?君、という感じ。