サムライジャック#44:CSカートゥーン・ネットワーク

zeroset2006-05-31

 雪深い山中に、ジャックを狙うバウンティ・ハンターたちが集結する。吹き矢使いのアボリジニ。伊達男ジェントルマン。二人一組のアイとアム。巨漢のボリス。そして謎の甲冑戦士。対抗心を剥き出しにするハンターたちだったが、甲冑の戦士、実はプリンセス・ミラの提案により、一致団結してジャックに挑む事にする。そして、ハンターたちが息を潜めて待ち受ける中、遂に現れたジャック。果たして勝負の行方は……。
 終盤までジャックが出て来ず、喋りもしない異色作。だけど、面白い! 冒頭、それぞれ一癖も二癖もありそうなバウンティ・ハンターたちが集まる様子にはワクワクさせられるし、彼らの得意技が紹介されるシーン、画面分割とそれぞれの個性に合わせた特徴的な作画(アボリジニはトライバル風、ジェントルマンは白黒映画風、アイとアムは水墨画風、ボリスは子供のクレヨン画風)を組み合わせたグラフィックは、実に「サムライジャック」らしいスタイル。

 その後の「ダレ場」と、ジャック登場前後の緊張感、この対比を生かした演出もイイです。ボリスが何度もミラに絡んでは、やり込められるところなんかも、好きだ。
 そして一瞬の勝負。仲間が全て倒された後、後ろからジャックを刺そうとするも、あまりの力の違いを見せ付けられた故か、背中からすら感ずる「凄み」故か、動く事すら出来ないミラ。顔をくしゃくしゃにしながら、声も出さずに涙を流す彼女と、やはり一言も発さず、振り返りもせず去るジャック。うーん、ラストシーンの余韻も素晴らしい。個人的には、シリーズ通しての一番の傑作!