早川・創元5・6月の近刊

 遅くなったけど、メモ。
 早川では5月後半に出るジェフリー・A・ランディスの『火星縦断』が気になる。

2022年、第三次有人探査隊は火星に降り立つが、彼らの計画は重大な欠陥を孕んでいた!最新の研究をもとに書かれた火星SF決定版

 この人の作品では、「日の下を歩いて」という短編を読んだことがある(SFマガジンに訳出されたあと、『20世紀SF』6巻にも再録された)。事故で取り残された女性宇宙飛行士が、救援が来るまでひたすら月面を歩きつづける、という超地味サバイバルSFで、なかなか印象深かった。今度の長編では火星を縦断するわけか。これまた地味そうなお話だけど、NASAの現役研究者らしい堅実な描写が楽しめそうだ(調べてみたらこの人、マーズ・パスファインダー計画にも参加してたらしい)。
 で、東京創元社の方では6月からムアコックの「ルーンの杖秘録」が新版として復刊。やたっ!もっとも、改訳はされてなさそうだし、「エルリック」と違って以前のバージョンと内容的には違ってなさそうなので、(自分的に)新たに買う必要性は薄いが……。でも、多くの人が気軽に手に取れるようになるのは、良いことだ。出来れば早川のエルリックと背表紙だけでも統一感を持たせてくれるとうれしいんだけどな(無理だろうけど。でもそうなってれば、自分は買う)。
 以前にも書いたけど、個人的にエルリックよりも好きなシリーズ。ホークムーンは普通に良い奴だし、グランブレタン暗黒帝国の面々も、陰険ながらもなかなか愛嬌があって楽しいよ。