『The Book of Bunny Suicides』Andy Riley

 ウサギが自殺し続ける姿を描く絵本、または漫画集。酸で少しずつ溶かされてみたり、唐揚げになってみたり、ヘリコプターのローターでバラバラになってみたり、工夫を凝らした方法でひたすら淡々と自殺するウサギちゃんたち。
 読む前はエドワード・ゴーリー(『ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで』とか)みたいな感じなのかと思っていたが、実際に読むとちょっとテイストが違う。後のゴス系の漫画にも通じるゴーリーのダークさは無くて、もっとドライな感じ。どっちかというと、星新一『進化した猿たち』に収められていた自殺や死刑をテーマにした一コマ漫画が雰囲気近いかな。日本でもこういうのに挑戦している漫画家はいる訳だけど(『百馬鹿』とか)、嫌味にならないシニカルさという点では、やはり欧米の漫画に独特の魅力があるような気がする。
 スタトレやスターウォーズネタあり、良く目を凝らさないと分からないネタ(ファッションモデルの毛皮のコートに、ウサギの皮が縫い付けられてるとか)あり、死に方がいちいちバラエティに富んでいて楽しい。個人的に好きなのは表紙のトースターネタと、宇宙人ネタだな。

The Book of Bunny Suicides: Little Fluffy Rabbits Who Just Don't Want to Live Anymore (Books of the Bunny Suicides Series)

The Book of Bunny Suicides: Little Fluffy Rabbits Who Just Don't Want to Live Anymore (Books of the Bunny Suicides Series)