ぴっかぴかコミックススペシャル『カラー版ドラえもん』

 今回のぴかコミはスペシャル版と銘打ってカラー版ドラえもんを収録。全てが1970、1973年という時代に発表された作品で、しかも殆どが単行本未収録というのが嬉しい。
 このドラえもん、幼年誌連載作品なので、てんコミ版の多くの作品とかなり雰囲気が違う。『ぽこにゃん』とか『モッコロくん』同様、いかにも藤子幼年漫画の一典型と言う印象だ。この短い頁数のなかに、スコシフシギを感じさせるアイデアが一本一本きちんと収められていて、実に楽しい。
 集中では「ぼくドラ」付録にも再録された「なんでもたまごに……」が、やっぱり好きだ。モノを卵に入れるだけ、というプリミティブすぎる道具なのに、いや、それ故にこそか、なんかこう、「やってみたくなる」感をすごく刺激される。あと「テレビからお客様」「ペタンコになってあそぼう」の異次元感も楽しい。「テレビから〜」には藤子の筆によるひみつのアッコちゃん、なんて珍しいものも。
 それにしても、鼻が尖ってる時期ののび太ってほっとけない感じがして可愛いなあ。ラグラッツのチャッキーなんかが、この直系キャラか(影響関係は無いんだろうけど)。連載が進むにつれ、のび太もある種の図太さを身に着けていって、それはそれで好きなんだけれども。

ドラえもん―カラー版 (ぴっかぴかコミックス)

ドラえもん―カラー版 (ぴっかぴかコミックス)