『Mr.インクレディブル』

 ピクサー製作、ブラッド・バード監督のCGアニメ。ずっとレンタルDVDが貸し出し中だったんだけど、やっと観ることができた。もっとも本当は劇場公開時に見たかったんだけどなあ。
 まずは……インクレディブル夫人がイイ!監督の前作『アイアン・ジャイアント』でのホーガースママにも萌えたけど、ヘレンも最高ですね。特に中盤、敵基地で自分のお尻を見てため息付くシーンとか、コスチュームの絶妙さもあってエロ過ぎですよ。あと、ボブ(Mr.インクレディブル)がお尻を触ったら、腕をぐいーーっと伸ばして触り返す(!)とか、体を伸ばしてグルグル巻きとか(*゜∀゜)=3ああ、もう……たまらないですなあ。何気に戦闘シーンでも一番目立ってたし、ある意味主役以上に存在感があったかも。その他、暗いゴスっ娘・バイオレットや敵の女ミラージュ(ヒーローに惚れて裏切る、というのは定番ですね)、ヒーロー専門デザイナーのエドナ・モード(マシンガン・トーク最高。かなり好きなキャラ)とか、この映画の女性キャラはとても魅力的。
 で、お話的には……まあ、普通に面白かった、というところだったかな(注:あくまでファースト・インプレッションです)。ピクサー版『ファンタスティック・フォー』という感じの作品なんだけど、ヒーロー禁止法なんてのが施行されているところは『ダークナイト・リターンズ』やら『ウォッチメン』などの名作アメコミを髣髴とさせる。『トゥルーライズ』なんかも思い出したり。ちょっと個人的にノリが悪かったのは、主人公に思い入れを持つことが出来なかったのと、悪役が嫌いなタイプだったからかなあ。あと、少し話のテンポも良くなかったように思う。このテンポの悪さには、本作が3DCGアニメであることも関わってるんじゃないだろうか。例えば主人公の上司が説教をするところとか、2Dアニメ的なコミカルさをそのまま引き写したようなシーンは、やっぱりまだどこかノリが悪いように思う。
 実を言うと、主人公であるボブに感情移入できなかったのは、自分でも意外だった。何でだろうなあ……ヒーロー再生的な話はキライじゃないはずなのに。この辺は何回か見てたら、また感想も代わってくるかもしれない。
 そして、悪役のシンドローム。彼には本当にイライラさせられた。チャイルディッシュな上にウザいのが、自分としてはダメ。いや、テーマ的には「子供じみたヒーロー基地外」を悪役にするというのは分かるんですよ。分かるんだけど……やっぱりウザい。後半、ミラージュに「あんたも一度命を掛けて見なさいよ」みたいなセリフを突き放したように投げつけられて、一瞬素に戻るシーンがあるんだけど、ここらあたりをもっと膨らませてもらえれば面白かったかもしれない。とは言え、まあ、この辺は単なる個人的好みです。
 ちなみにスタッフ・クレジットのアニメが無茶苦茶格好良かった。『アイアン・ジャイアント』や『パワーパフガールズ・ザ・ムービー』でも感じたことなんだけど、平面的・デザイン的なキャラクターが、立体的・ダイナミックな動きをする、という所に関しては、2Dアニメにもまだまだ進化・発展する余地はありそうだ。空間を切り取ったり、注視効果を最大限活用するには、やはり2D的な絵が有利だろうしね。

Mr.インクレディブル [DVD]

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