『機動戦士クロスボーンガンダム -スカルハート-』長谷川裕一

 『機動戦士ガンダムF91』のスピンオフ作品の、そのまた外伝、という位置付けの作品集。
 正直この人の絵は好みではないんだけれども、読んでる間はそんな事を気にしなくなるほど面白い。本家よりSFマインド濃厚だしね。大体、主人公と主題のロボットのスケールの違いすぎる巨大ロボットものは、アニメ向きではあっても漫画向きでは無い、とは良く言われるところだけど、それを構図やコマ割など、演出の力でこれだけ躍動感あふれる作品に仕立て上げられるんだから、ほんと、この人って漫画が上手いんだなあと思う。
 集中で一番面白かったのは「猿の衛星」かな。猿の操縦するモビルスーツ、という人を食った一発ネタに、猿の惑星と2001年のパロディを絡め、人間の本性論でまとめてみせる手堅さ。なによりハリソン大尉とステラがイイですなあ。