ダック・ドジャース「サーフィン対決/サムライ・ドジャース」:CSカートゥーン・ネットワーク

 テレビシリーズ版ダック・ドジャースの元になったのは1953年のルーニー・テューンズ「ダフィー・ウォーズ」"Duck Dodgers in the 24 1/2 Century"。チャック・ジョーンズお得意のダフィ・ポーキーコンビのコスチューム・プレイもので、個人的にはあまり好きな短編じゃ無かったりするんだけど、向こうでは結構根強い人気があるみたい。スター・ウォーズの再上映時に併映されたり、こうしてテレビシリーズにもなったり。その流れとして、今回は豪華ゲストな二本。
 さてまず最初の一本「サーフィン対決」は、なんとビーチボーイズブライアン・ウィルソンゲスト声優として登場。悪役とサーフィン対決するドジャースの、グルだかメンターだかの役。歌も披露するよ!あの『スマイル』をリリースしたばかりなので、その記念としての出演なんだろうか。ビーチボーイズは、再評価されて久しい『ペット・サウンズ』くらいしか聞いたこと無いけど、これは是非原語で聞きたかったな。
 次の「サムライ・ドジャース」は『サムライ・ジャック』パロディ。ゲンディ・タータコフスキーがゲストとして制作に参加してるようだ。フグを食べて昏倒したドジャースが別世界にトリップして……というお話。輪郭線の無い、あの独特の美術や画面分割3回繰り返しな演出をちゃんと再現してるのはイイが、ギャグとしては正直かなり微妙。そもそも『サムライ・ジャック』自体、シリアス一辺倒な話じゃないし、自己パロディ的なものもちゃんと本編中でやってるわけで、これを生半可なギャグにしてみても、ねえ……。
 基本的にルーニー・テューンズ(特にダフィ・ダックもの)は大好きなんだけど、続編的な作品は『タイニー・テューンズ』にしてもこれにしても、自分の感覚とはどうも合わないようだ。何というか、全編に漂う躁病的な感覚が、分裂気質の俺には耐えられません。