母をたずねて三千里 第14話「マルコの決意」第15話「すすめフォルゴーレ号」:CSファミリー劇場

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 マルコもついに旅に出発。「マルコの決意」ではジーナとの会話が素晴らしい。父や兄と比較し、何もできない自分だから、せめて母の消息を確かめて役に立ちたい、というマルコの決意。それに対し、今は亡き夫の写真の入ったロケットを見せ、想いを語るジーナ。今まで彼女の人生について、何も語られてなかっただけに、余計強く印象に残る。大人になって初めて分かる、良いシーンだ。まぁ、例によってマルコは怒って飛び出してしまう訳だが・・・・・・。ついにフォルゴーレ号に密航するマルコ。ブラジルに行っちゃうのかな、と思わせて第15話に続く。
 が、そのまますんなりと密航できないのが、このアニメ。「すすめフォルゴーレ号」冒頭で早々とコックのレオナルドにマルコは見つかってしまう。レオナルドの声は故・神山卓三。トゥーン好きとしてはケンケンの声が思い浮かぶが、ここはやはり『未来少年コナン』のドンゴロスだろう。船内の追いかけっこが、ちょっとコナンっぽい。フライパンをひっくり返して有能さをアピールしようとしたり、シチュー鍋をひっくり返して汁まみれになったり、「歩けるところなら、どこまででも歩いていく」と強い決意を示したり。この辺り、レオナルドがマルコに心を奪われる様子が丁寧に描かれており、少し図式的とは言え、好感が持てる。
 そして、父・ピエトロもついにマルコを南米へ送り出す事を決意する。さすがにあんなに小さな子供を、大人でも大変な旅にやるのは、これだけ丁寧に描写が積み重ねられていてもなお、無理があるような気がする。実際マルコは死ぬような目にも会うわけだし。あのまま密航してしまう事にしても良かったようにも思うが・・・・・・ただ、ピエトロのマルコへの想いを描き、そして一人の人間として信頼するに至るドラマとしてみると、ここでこういうシーンが必要なのも分かる。最後はジェノバ編に出てきたキャラクターが総登場で、さながらプチ最終回といった感じ。感慨深いなあ。