日本の無思想・無宗教

 昔、宮崎駿が欧州に行った時の事。現地の人に宗教を聞かれて「無宗教」と答えたら、軽蔑されたそうだ。
 こういう事を聞くと良く「ああ、欧米人はキリスト教マンセーだからな。神様を信じない人間なんて許せないんだろう」とか思う人も多いと思うが、実はちょっと違う。宮崎によれば「コイツはなに青臭い事言ってるんだ?イイ大人のクセに」という様な反応だったそうだ(おそらく無宗教ではなく無神論者と答えていれば、反応も違ったろう)。
 欧米人にとって「宗教」とか「正義」ってのはとても大事な物。でも、世の中にはたくさんの宗教や正義があり、それぞれに矛盾がある、なんて事、ちゃんとした人なら当然分かっている事なんだよね。でも、大人だったらあえて自分の信じる道を選んで、それに殉じてみせろ、と、そういうのが向こうの考え方だと思う。ヒーローものってのはそういう考えの集大成だよね。
 もちろん、人間の知的レベルには色々あるんであって、向こうにも「自分の信じてる正義こそが絶対正しい!」と盲目的に信じてる人は多いし、そういう人に限って声が大きいし、あまつさえそういう人が大統領になったりしてるんだが、だからといって、それを欧米人全体の考え方のように演繹するのはおかしいと思う。日本にだって(「正義」という言葉こそ使わないものの)そういう人は多いんだし。
 といっても、欧米人的な考えを盲目的にマンセーする気は無いし、個人的には日本的なぁなぁイズムの方が心地よかったりするんだが。でも、最近ネットとかで、欧米人=正義とか宗教を盲目的に信じてる=単純、日本人=既に正義とかそういう概念は乗り越えてる=進んでる!…という様な文章を見ることが多いんだけど、それはちょっと違うんじゃないかな、と思う。
 まぁ、今日はそんな事を考えながら、ジャスティス・リーグ(下記参照)を観ていました。