赤毛のアン 第20章「再び春が来て」:CSアニマックス

 アンがグリーンゲイブルズにやって来てから、一年。初見の人は、回想シーンを観て、アンがいつの間にか成長していたのに驚くんじゃ無いだろうか。数話毎にキャラクター・デザインを少しずつ変えていたらしいが、あまりにも自然なので、意識していないと分からない。だからこそ自分達視聴者も、マリラやマシュウ同様、アンの成長ぶりに感慨を覚え、この老兄妹に強いシンパシーを感じる事が出来るのだろうな。
 自分が初見の時(再放送時だが)も、この回はインパクトが強かった。アニメでこんな表現が出来るなんて!それまでは流し見に近い感じだったんだけど、真剣に見始めたのはこの回以後。これは大人が観るに値するアニメなんだ、と実感したのだった(もっとも当時高校一年生だったんで、今考えると、何が大人だって感じだが)。

  • マリラは朝から頭痛気味。既に第8章でこの持病について描写されているが、終盤の展開を考えると、なんとも言えない感慨がある。出来ればマシュウの心臓病も、これくらい前から複線を貼って欲しかったかな。
  • 雪の女王様」を見ながら回想にふけるアン。遠くを見つめる目が印象的。昔の自分について、どう考えてるんだろう…。
  • 当の本人に言われるまで、今日がアンのグリーン・ゲイブルズに来た記念日だということを忘れていたマリラ。早速マシュウの所へ行き、得意げに指摘するのが微笑ましい。マリラって、結構こういう稚気もある人。

 最後、ドライブに誘われるも、すげなく断るマリラ。しかしすぐに、マシュウと一緒にある場所に行く様、勧めるのだった。マシュウが迎えに行ったあの日、おそらく少女を、それまでの生涯でもっとも感動させたであろう、あの場所へ。

ええと、なんて言ったっけねぇ。そうそう、「喜びの白い道」…今頃は林檎の花も咲いてるだろうよ。何もかも、あの頃と同じ様にね

 このシーン、マリラとマシュウそしてアンの、お互いに対する深い愛情が胸に染み入る様に感じられて、何回見ても涙が出る。やっぱり「赤毛のアン」は最高。