『細野晴臣トリビュート・アルバム』

 坂本龍一のレーベル、COMMMONSから発売された、人選も豪華なカバー・アルバム。アーティストは坂本、高橋幸宏矢野顕子コシミハルといったおなじみの人たちからヴァン・ダイク・パークスジム・オルークなどの海外陣まで、選曲も「恋は桃色」から「ハイスクール・ララバイ」、スケッチ・ショウの「Turn Turn」に至るまでと、ヴァラエティに富んでいて嬉しくなる。80年代後半から90年代くらいにかけての曲が収録されて無いのはちょっと片手落ちっぽいが、あのあたりのアンビエント路線の曲はカバーし辛そうだから、仕方無いか。
 ただ、基本的にはどのアレンジも、割と想像の範囲内だったというか・・・・・・初めて聴くアーティストの曲も、全体の中に埋もれてみると、アルバム通しての「こうであろう」雰囲気からは外れてない感じ。もうちょっと弾けたのがあっても良かったかな、というのが正直な印象。
 個人的なベストは、坂本龍一嶺川貴子の「風の谷のナウシカ」と、ジム・オルークカヒミ・カリィの「風来坊」。