『ネオ・アズマニア2』吾妻ひでお

 今巻は「ハイパードール」「プリティギャルズ・シリーズ」「狂乱星雲記」の三本のシリーズものを中心としたセレクション。
 秋田書店から出てた単行本の『ハイパードール』は持ってるので、これに収録されてた前二本のシリーズは再読ということになる。なにもかも、懐かしいなあ。どちらも軽いタッチの可愛らしいコメディ、このころの描線が一番好きかも(もうちょっと後になると、どんどん線が細くなってしまう)。
 「狂乱星雲記」は初めて読むもののはずなのに、何故か「行商人」だけは見覚えがある……良く考えたら、大学のSF研で読んでたのかも知れない*1
 連載の繋がりから言うと「どーでもいんなーすぺーす」に続くシリーズのはずなんだけど、どちらかというと読後感は「るなてっく」の方に近い。と言うか、後書きを読む限りは「狂乱星雲記」こそが、この手の路線の嚆矢だったんだろう。明確なオチが無く、そこはかとない不安感に満ちていて、微妙にイヤな後味のマンガ。収録作品中では「小宇宙」と「行商人」が好きだ。

ネオ・アズマニア (2) (ハヤカワコミック文庫 (JA873))

ネオ・アズマニア (2) (ハヤカワコミック文庫 (JA873))

*1:奇想天外社版『不条理日記』があった。