フォスターズ・ホーム#15「お願いウィルト/ベンディに負けるな」:CSカートゥーン・ネットワーク

 8月27日放送分。今回は二本立て。
 Aパートは、人に頼まれるとイヤと言えないウィルト、大好きなバスケの試合が見たいのに次から次へと用事を頼まれてしまいもう大変、という話。優しくて面倒見の良いウィルトは、本当にいい人です。でも、ここまで来るとちょっと病的で、ノーと言う言葉を口に出せず、ブルブル震えるシーンが痛々しい。ウィルト誕生の経緯が知りたいところだ。今回は、文字通り最小限の言葉でウィルトに助言するエドゥアルドも良い感じ。
 とは言え、基本的に全然ウエットにならないのがこの番組の良いところで、お年寄り介助→刑務所脱走→宇宙へ、という頼まれごとのエスカレートっぷりが、いかにもカートゥーン的で楽しい。あと、ウィルトが散々苦労してやっと持ってきたポテトチップを、あっさり足蹴にするブルーが酷すぎて最高。本当に鬼だ!
 Bパート、新たにやってきたイマジナリー・フレンド、ベンディ。彼は悪戯ばかりするというので暇を出されたのだが、家族とベンディの様子から、どうも濡れ衣らしいと見たヘリマンさんたちは、暖かく彼を迎え入れる。ところがこのベンディは、本当にとんでもないフレンドで……という話。
 人間の身勝手に振り回されるイマジナリー・フレンドを描く、しみじみとした話なのかな、とミスディレクションさせる導入部が上手いですねえ〜。もう、全然そんな話じゃないんだから。ベンディはフサフサ毛並みでゲジゲジ眉毛、哀れっぽくしおらしく見せかけてる時も、その後の悪戯しまくる時も、全身を使って、実にこう「それらしい」表情を出していて素晴らしい。いやあ、実に憎憎しい。この番組、キャラクター・デザインに相当力を入れてることが伺えるんだけど、この話も、ベンディのデザインが決まったときに、半ば成功が約束されたようなもんだ。
 もちろん、対するブルーも負けてません。というか、ベンディみたいな凶悪キャラに全然キャラ負けしないのがブルーの凄いところ。ラストのたたみ掛ける様なドタバタ、そしてオチのマックの一言がイイ。で、エンディングでA・Bパート両方にオチが付くのも上手いです。