ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち#14、#15:CSカートゥーン・ネットワーク

#14「満月の夜」
 エフラファに捕らわれたピプキンの救出作戦が始まる。ウサギの数だけでは圧倒的に不利だったが、モグラやハタネズミ、コウモリなど、様々な動物たちがピプキンを救うために協力を申し出てくれた。一方エフラファでは、両親をイタチに殺されたというピプキンに、ウーンドウォート将軍は自分の過去を語る。彼もまたイタチに親を殺され、人間によって檻に閉じ込められた辛い過去を持っていた。
 ピプキン大活躍な話。自らの辛い過去をピプキンと重ね合わせ、敵の一員であるに関わらず情が移ってしまった将軍。そんな彼にピプキンは「もう闘う必要はないのに。将軍を閉じ込める檻なんかないんだよ」と言う。仲間達との暮らしの中、過去を克服したピプキンと、トラウマまみれで孤独に生きてきた将軍の対比。ベタと言えばベタだけど、ぐっと来る展開です。それにしても将軍、ピプキンの前でわざわざ部下と格闘をして見せて「どうだ、強いだろう」……なんか可愛いというか、いじらしいなあ……。結局戦闘は多種多様な動物を味方につけたウォーターシップ・ダウンの勝利に終わるんだけど、エフラファのウサギが落とし穴に落ちるシーンとか、あまりにもおざなり過ぎる演出に苦笑い。もうちょっと頑張ってくださいよ、スタッフ様。
#15「知恵と勇気」
 カウスリップの村からマリーゴールドとヒッコリーがやってきた。恐怖の中の平和に見切りをつけ、他の賛同者達と共に新しい村を作りたいと言うのだ。そんな彼らにヘイズル達は、レッドストーンの廃村に入植することを薦め、野性の中で生きる術を教えるのだった。一方、フルドゥドゥ(自動車)に立ち向かうことで、自らに勇気を付けようとしたヒッコリーだったが、道路の対岸に渡ったきり、恐怖のあまり動けなくなってしまう。
 普段あまり活躍の機会の無い、ダンディライアンとホークビットメインの話……と見せかけて、やっぱり前回に続いてピプキンの活躍する話。赤ちゃんの振りをするピプキンが可愛いが、個人的にはダンディライアンにもうちょっと活躍して欲しかったなあ。話のテーマとしては、「自由を得るためには、それ相応の対価が必要である」という、本作のメイン・テーマを反復するもの。昔読んだ時には全く気付かなかったけど、今考えると、イギリスの第二次世界大戦の経験を強く反映したストーリーであるのかも知れない。