『ブラック・ジャック』

 放送開始記念の一時間スペシャル。とても無難な仕上がり。でも個人的には、マンガをそのままにアニメ化することに、面白さや意義を感じることが出来ない。まぁ、それを言うなら、(ブラックジャックや手塚作品だけで無く)大概のアニメ化作品に言えることなんだけど。
 とは言え、夕食時に、家族そろって見ながら共通の話題として楽しめるってところは良いかな。普段アニメなんぞ見ない家人も、珍しく一生懸命に見ていた。多分、アニメ化にあたっての企画意図が、そもそもそういうのなんだろうし、原作のヤバさ・暗さが表現されそうに無いことを、ごちゃごちゃ言っても仕方あるまい。このアニメで手塚作品を知った子供が、原作を読んで、そこから更に“ダーク手塚”のディープな世界にハマっていく……なんて事を想像するのも、楽しいじゃありませんか。カラー版アトムを見て原作に興味を持ち、読んだみたのは良いが、それがよりによって『アトムの最後』だった、かつての俺のように。