ビリー&マンディ「グリムの恋人」:CSカートゥーン・ネットワーク

 ヴァンパイラは夜の女王。その昔、深夜のホラー映画専門番組のホスト役を勤めて、全米の青少年のハートをがっちりキャッチした、らしい。今ではエド・ウッドの「プラン9フロム・アウター・スペース」でしかその姿を見ることは出来ないが、そのイメージは、後の「アダムス・ファミリー」の母親役にも、そっくり継承された。更に後には、エルヴァイラなどという「ホラー映画番組のホスト」という役回りまでそっくり真似たエピゴーネンも登場することになる。このエルヴァイラ、最近作られたアイマックス用3D映画にも、ボンクラ科学者が実体化しようとする「憧れのスター」として登場する。夜を生きるボンクラたちにとって、今でもヴァンパイラ=エルヴァイラのイメージは、女王として特別な存在なのかも知れない。
 同様にいい歳して小学生としか遊べないボンクラ「夜の種族」であるグリムにとっても、恋のお相手がヴァンパイラを髣髴とさせる容姿の女性であったのは、ある意味必然的なことだったのかも知れない。彼女とグリムが墓場で無邪気に遊ぶシーンが楽しい。最後、二人でダンスホールへ行くものの、グリムの正体を知った女性は一目散に逃げ帰ってしまう。その直前の「パルプ・フィクション」ばりにツイストを踊るシーンが、かえって物悲しいね。
 まぁ、ガイコツなんだから、どう見ても人間じゃないだろ!というツッコミは今回、無しでw