赤毛のアン 第49章「曲り角」:CSアニマックス

zeroset2004-09-07

 悲劇的な出来事が連続して起こるわけだが、アンの決意が未来を開く。

  • 病院に行ったマリラの代わりに家事をするアン。オーブンの中に手を入れて温度を確認する仕草が細かいなー。暗い話が続いただけに、遊びに来たダイアナの明るさ、草原を走る二人の姿にほっとさせられる。しかし、その後・・・。
  • レイチェルにグリーンゲイブルズを売ることを勧められるマリラ。マシュウが承知しないよ!と気色ばむマリラの言葉が印象的。
  • 失明するかもしれない、とアンに言うマリラ。突然鳴る時報が、重苦しい気分に拍車を掛ける。涙ぐみつつも、同情されるのはまっぴらだから、と他人に公言しないよう釘を刺すのはやっぱりマリラらしい・・・のだが、あまりにも力無い様子に、かえって胸を締め付けられるような思いになってしまう。その後、涙を浮かべつつ水を汲むアンの姿にも泣ける(つд`;)全50話中、もっとも重苦しい場面だろう。
  • 暗い気持ちで外に出、小川を眺めながら何かを決意するアン。Na「しかし、やがてアンの口元には微笑みが浮かび、心も平静に復していた。アンは自分の成すべき事をしっかりと真正面から見据え、そこに味方を見出したのだった。義務というものが、率直にこれを受け入れる時には、いつもそうであるように」このナレーターが良いなあ・・・。アンの決意を秘めた表情も、印象的。
  • 馬車を駆って、いずこにか出かけるアン。海辺でかかる挿入歌「ちょうちょみたいに」がイイ!この場面のアンも、本当にいい顔してるんだよな。
  • グリーンゲイブルズを売る事に決めたと言うマリラ。泣き崩れる姿があまりにも痛々しい。しかし、アンは大学に行かず、奨学金を辞退する事にしたと告白する。
  • 「ずっとこの事を考えて、計画を練っていたの」というアンの姿に悲壮感は無い。就職する事、マリラと一緒に暮らす未来を語る彼女は楽しげですらある。「クイーンを卒業した時には、未来が一本のまっすぐな道のように見えたわ。でも、今ではそこに曲り角があるのよ!」普通、人生の曲り角というと、あまりいい意味には使わない。しかしアンに掛かっては、それですら希望の言葉に変わる。「角を曲がると、どんな事が待ってるのか分からないわ・・・その先の道は、緑の輝きと柔らかい色とりどりの光と影に包まれたものかもしれないし、見たことも無い美しいカーブや丘や谷が待っているのかもしれない。でも、私は一番良いものがあるって信じてるの」人生の転機にあたっても、野心と夢を捨てず、最善と信じる道を迷い無く進むアン。これで16歳なのだから凄い。最初に観た時以来10数年、このシーンを見る度に、なんだか自分が恥ずかしく思えるのだが・・・・・・要するにこの10数年、全然変わってないってことだな、俺は(´・ω・`)。まぁでも、このアンの言葉は、いつも心に持っているようにしています。
  • 「私にはもう出来そうも無いよ。だから出来る振りもしないことにするよ」老いによる衰えと、それでもなお、アンを気遣うマリラの様子が心に残る。