『ノートルダムの鐘II』:CSディズニー・チャンネル

　ディズニー『ノートルダムの鐘』の続編。
　前作の最大の欠点はストーリーにあった、というのは昨日のエントリでも書いた。結局、「人間、顔じゃない」ということが言いたいんなら、ひたすらシンプルにそれだけを目指したお話作りにすれば良い。それを「大人向けの、格調高いアニメにしよう！」「でも、大衆が喜ぶのはハッピー・エンドだよな」「やっぱり美女は美男とくっつかないと……」「ファミリー向けなんだから、主人公はひたすら善良にしてくれ」「子供も喜ぶようなマスコットも出そう」なんて相反する要素をいくつも盛り込むべく欲張ったあげくが、あの白々しいラストシーン。こう考えると『美女と野獣』のお話は良く出来ていたんだよなあ。醜いカジモドと敵役フロロー、そしてヒロインと結ばれるフィーバスの役どころを、「野獣」一人に収斂してたわけだから、矛盾も出ない。
　それでも前作は、ストーリーの不備を吹き飛ばす程の魅力があった。魅惑的なヒロイン、格調の高さ、超高密度な絵。あえて陰惨でダークな描写に挑戦した意欲にも感心した。
　……というわけで、本題。それら前作の良かったところを全てオミットした続編が、この作品だ。なんというか、もう、カジモドに彼女をあてがうためだけに作られたとしか思えないアニメ。あと「子供のキャラも出したから、お子様も見てね（はあと）」というところか。そうそう、エスメラルダがカジモドの目の前でフィーバスといちゃつくという、眩暈がするほど無神経なシーンもあるな。しかもその時、カジモドは二人の間に出来た子供の面倒を見せられてるし┐(゜〜゜)┌　ここまでくると、逆に感心するよ……。

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