母をたずねて三千里「かあさんのブエノスアイレス」:CSファミリー劇場

 ベッピーノ一座の長女、コンチエッタが熱を出し、マルコが色々と尽力する、という話。前回反省したためか、今回のマルコは生意気言う事も、ヒステリーを起こす事も無い。母の写真にキス、部屋を出た後、財布を忘れたことに気付いて取って返す様子とか、第2話を思わせる細かい日常描写がいい感じ。いつも今回みたいにおとなしくしてれば可愛いのにな。
 それにしてもコンチエッタにスポットが当たるのは珍しい(後半「バルボーサ大牧場」でも印象的な役回りを演ずるが)。イタリアの英雄ガリバルディの扮装は、珍しくも男装(軍服)で、なんか萌えるぞ(苦しがるコンチエッタの襟を開くシーンはちょっとドキッとする)。子供の頃は、この幸薄そうな顔がどうにも好きになれなかったんだけど、今見ると本当にいい娘だよなぁ。対して、ベッピーノの不甲斐なさったら・・・_| ̄|○ いい人ではあるんだけど。
 貧乏人は、休んでなければならない時にも働かなければならない、と世の無情を嘆く医師、ロンバルディーニ。この言葉を、実感を伴って感じる事が出来る人も、もう少ないんだろうな・・・。高畑の左翼性を見て、毛嫌いする人も多かろう。しかしこの世界には、こういう言葉によってしか掬い取れぬ悲哀があった/あることは、知っているべきことだと思う。(俺自身、とっくの昔に左翼への幻想など捨ててしまったが、それでもそう思うのだ)